生成AIを利用する際に、気をつけるべきことの1つが「著作権」です。生成AIを使って作成したもの(文章、画像、動画など)が、他人の著作権を侵害していないかは注意が必要です。
AIの登場とともに「AIと著作権」についても関心が高まっており、ニュースでも取り上げられることもあります。
そんななか、文化庁は「AIと著作権」について積極的に動いており、2023年に「AIと著作権に関する考え方」素案を公開し、2024年2月29日には募集していたパブリックコメントの結果を発表しました。文化庁は、これを踏まえて3月までに「AIと著作権に関する考え方」の最終版を公開するとしています。
AIで著作権に気をつけるべき場面
文化庁の「AIと著作権に関する考え方」をもとに、AIにおいて著作権を意識する場面は、大きく分けて以下の2つです。
- AIの学習・開発段階
- AIを使って生成する(AIを利用する)段階
詳しい解説は割愛しますが、EC担当者が生成AIなどを利用する際には「AIの学習・開発段階」において、学習に使われているデータに著作権侵害がないか?を気にする必要があります。
また、生成AIを使って、文章や画像などを生成する際には、生成されたものが著作権を侵害していないか?を注意する必要があります。特に「依拠性」が認められるかどうかがポイントになりそうです。
他者のコンテンツを真似しているか?
著作権における「依拠性」とは、他人のコンテンツを真似しているかどうかです。
例えば「ドラえもん」を知っている人が、故意にドラえもんに似たキャラクターを作った場合は、著作権侵害になる可能性があります。
逆に、学習データに「ドラえもん」が含まれておらず、生成したキャラクターがたまたまドラえもんに似ていた場合は、偶然の一致として著作権侵害にはならないとのことです。
「AIと著作権」について、まだ良くわからないという方は、文化庁が行ったセミナーがYouTubeで公開されていますので、そちらを視聴されることをオススメします。
著作権者の利益を不当に侵害することはNG
文化庁の「AIと著作権に関する考え方」素案では、「著作権者の権利を守る」ことが大前提となっています。当然といえば当然ですが、他人の著作物を無断で利用して、著作権者の利益を不当に侵害することは避けなければいけません。
文化庁は「文化芸術活動に関する法律相談窓口」というWebサイトを公開しており、2024年2月からは「相談内容」に「AIと著作権について」の項目を追加するなど、AIに対しても積極的に対応を進めています。
著作権について理解を深めることも大事だと思いますが、とにかくAIを利用する際には「他人の著作権を侵害していないか?」ということを常に頭に置いておくことが必要だと思います。
ECにおいて、生成AIなどを使って生成したものを使ったら、他人の著作権を侵害していて、損害賠償を請求されたなどのトラブルにならないように、十分に注意をしていきましょう!