企業が生成AIで作ったもの使うときに注意すべき7つの法律と権利

企業が生成AIで作ったもの使うときに注意すべき7つの法律と権利

ChatGPTなどの生成AIを使って、文章や画像、楽曲、音声、動画などを作るときに注意すべきことの1つに「法律や権利を守る」があります。

EC担当者ならば、自社の商品に関する法律や、販売、宣伝、広告に関わる法律や権利について、日常的に意識をしていると思います。

生成AIを利用する際に法律違反や権利侵害にならないように、どんな法律や権利に気をつけたらいいかを解説します。

目次

生成AIで作ったものを使うときに注意すべき法律と権利

生成AIを利用して、なにかを生成する際にも法律や権利について注意が必要です。生成AIの回答や生成したものは「法律的に問題はない」と考えるのは危険です!なぜならAIにはハレーションの問題もあります。そもそも生成の過程で法律チェックはされていません。

会社として使用するもの、公開するものは、必ずリーガルチェックが必要だと認識をしておくことが大事です!

特に著作権、肖像権、パブリシティ権、景品表示法、不正競争防止法などは注意が必要です。

  • 著作権
  • 肖像権・パブリシティ権
  • 景品表示法
  • 不正競争防止法

今回は、上記の4つ以外にも商標権、特許権、意匠権についても触れています。

著作権

AIが作ったからといって「著作権」の違反にならないわけではありません。生成されたものが他人のコンテンツに著しくにている場合は「依拠性」があるとして、著作権侵害になる可能性があります。

例えば、他社が作ったパッケージ画像を生成AIに学習をさせて、同じようなパッケージ画像を生成させるのは著作権侵害になる可能性があります。

生成AIであったとしても、使用するコンテンツは「自社で著作権を所有しているもの」か「使用を許可されているもの」だけにしましょう。

文化庁の文化審議会 著作権分科会 法制度小委員会が作成をした「AIと著作権に関する考え方について」では、生成AIの開発段階での著作権侵害も注意喚起がされています。そのため、そもそも使用する生成AIが開発段階で著作権侵害にあたるデータを使っていないかを確認する必要があります。

2023年(令和5年)に文化庁が行ったセミナー「AIと著作権」がYouTubeで公開されています。生成AIを使用する前に視聴することをお勧めします。

肖像権・パブリシティ権

生成AIを利用する場合は、肖像権パブリシティ権の侵害にならないように注意が必要です。

実在する人物の顔や姿を勝手に使ってしまうと肖像権の侵害になる可能性があります。また芸能人や著名人の写真・画像、声などを許可なく使ってしまうとパブリシティ権の侵害になる可能性があります。

例えば、アイドルやモデルの顔を使って、生成AIで新たな人物の画像を生成した場合に元となる人物と生成された人物の画像が似ている場合、肖像権やパブリシティ権の侵害になる可能性があります。

画像だけでなく、声も同様です。実在する人気声優の声にそっくりな声をAIで生成して無断で使用すると権利侵害になる可能性があります。

景品表示法

生成AIを利用して、キャッチコピーや宣伝文など、商用利用をする文章を生成する場合、景品表示法にも注意が必要です。

生成AIが生成した文章が盛った表現消費者を誤解させるような表現など、景品表示法で規制されている「優良誤認表示」や「有利誤認表示」に該当する表現になっていないか、十分に注意をしましょう!

不正競争防止法

他者の商標やロゴなどを勝手に使うと不正競争防止法の違反になる可能性があります。

生成AIを使って、他者のブランドやロゴ、商品名と似たものを作って、消費者に誤解をさせてしまうと不正競争防止法の違反になる可能性があります。

商標権

企業のブランド名やロゴなどで商標登録されているものや似ているものを、自社のものとして使ってしまうと、商標権の侵害になる可能性があります。

生成AIを使って商品名や商品説明、商品ラベルなどを作る場合など、AIによって生成されたものに他社の商標が含まれていないか、必ず確認をしましょう。

特許権

他者によって特許(新しい発明、技術、製品など)の登録がされているものを使ってしまう特許権の侵害となる可能性があります。

生成AIを使って、仕組みや方法を考えるような場合には、AIからの回答が、他者の特許を侵害していないか、必ず確認をしましょう。

※特許権を調べるときにも、上記の「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」で調べることができます

意匠権

商品の形状や模様などのデザインで意匠登録されたものと、同じデザインや似ているデザインの商品を販売する意匠権の侵害となる可能性があります。

生成AIで商品のデザインを作るような場合に、AIが作ったものが他者の意匠権を侵害していないか、必ず確認をしましょう。

※意匠権を調べるときにも、上記の「特許情報プラットフォーム(J-PlatPat)」で調べることができます

まとめ

生成AIを使うときに注意すべき法律や権利で特殊なものはありません。EC事業者なら普段から気をつけていることを同じように気をつけるようにしましょう。

AIが作ったものだから法律や権利がクリアになるということはありません!会社として生成AIで作ったものを商用利用をする際には、これまで通りに十分に注意をしましょう!

企業が生成AIで作ったもの使うときに注意すべき7つの法律と権利

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次